建築様式の特徴

寺

近世において寺院もまた歴史の荒波に飲み込まれるようになるが、結果として全ての寺院は消滅すること無く、また神社という側面を持った別の存在へと変容することで生き長らえてきた。そんな寺院と言っても、神社と明確に何処が違うのかという点を挙げていくと、共通する部分もあるがやはり建築様式を知ることで寺院がどんなものなのかを知る手がかりになる。

まず最初に語ることは、当然といえば当然だが寺院建築の様式で一番定番となっているのは『木造建築』であることだ。コレ以外に何があると言われるかもしれないが、時代を超えるというのは恐ろしい物で正直信じたくない技術まで導入されているケースが有る。その点についても色々と話していくが、まずは寺院建築の様式にどんな種類があるのか、紹介していこう。

色々ある建築様式

寺院建築、主な様式

日本伝来の様式で、鎌倉時代後半において中国の寺院を習うように構築された建築様式。具体的な特徴として、間仕切りのない一室堂があり、屋根に強い反りがあって、窓は上部に複雑な曲線が付いた火灯窓が付いている。

こちらも日本ならではの建築様式となり、禅宗様の後に誕生した。主に、屋根裏部屋がなく、屋根裏が見える仕組みとなっており、貫を使って構造を強化している。

一見すると日本伝来のもののように感じられるが、この建築様式は中国にある寺院をイメージした建築様式を目指して開発され、平安時代頃に日本人好みとも言える様式へと変化する。特徴として、柱が細く、天井は低め、穏やかな空間の仏堂が作られている。また床を貼って、縁側を作っているものも覆っている。

こちらは平安時代頃に出来たもので、イメージとなったのは当時の貴族たちが住む住宅などの庭に面した寝殿を原型として寺院建築の一角としてその様式を確立化したものとなっている。庭には池と橋があり、どこぞの時代劇によく出てくるような風景を連想していただけると一番いいだろう。

最後に鎌倉時代において成立し、現代における和住宅の原型としても大きな影響をもたらしているのが、こちらの建築様式。一番馴染み深いもの、実家が木造だった場合には書院造みたいだと表現すると、理解されやすいかもしれない。

木造で建築されている理由として

今でこそコンクリート・鉄筋・さらには現代で開発された様々な建材で住宅などは作られているが、古代から近世にかけては住宅にしても、寺院にしても、また神社にしても木造建築しか無かった。どうして木造建築だったのか、その理由というのも取り上げるほどのことでもない。時代の変遷と外国文化の伝来によってレンガなどを用いた建物も登場するようにはなったが、寺院や神社にとって木造以外に考えられる建材はないというのも1つ。ただそれ以上に大きな理由が日本の高温多湿という環境において一番適しているからだ。

現代の建築も大半が木造をベースとしている、鉄筋コンクリートもあるがそうした建物の場合だと日本の気候では逆に過ごしにくく感じるようになってきた人も増えてきたため、最新のものを取り入れては原点回帰をしている。新しいもの好きな日本人なのに、最後は自国の特徴にあったものを選ぶ人が増えているのだから面白いところだ。ではこの他にどういった点が一番良いとされているのか、少し紐解いてみよう。

恐ろしく簡略化されている

筆者の自宅周辺で最近、木造をベースとして新築のアパートが建築されていた。下地を作る工事期間を含めればそれこそ3ヶ月ほどの時間を要しているが、肝心の建物はおよそ1ヶ月弱でほぼ形作っていた。気づけば出来ていたといっても申し分はない、それくらい現代の建築はスピード重視とも言えるスタイルになっている。もともと施行が容易で工期も短いこともあって昔ながら導入されているが、その工期をさらに短く出来るような仕組みも取り入れられている。

なにせ別の住宅建築をしている場面を見たときには、まるでパズルピースのように組み立てていたため、そんなに簡単になっているのかと驚いたくらいだ。しかし寺院や神社については工期を簡単にするだけでは足りないものもある、それこそ長年受け継がれてきた技術を後世へと伝来する技術だ。

木造技術の伝来が一番盛ん

日本古来から続く建築技術ということも有り、また寺院にしろ神社にしろ、その手の社を専門に建築する大工師の存在もいる。彼らは国から認定されている同業者とは一線を画した存在で、現在は数こそ減っているが、『宮大工』と言われることは業界にとって誇るべき立場だ。そうした技術者の洗練された木造建築における技術を受け継がれているため、日本ならではと言える建築様式もそうした人材によって時代を超えて伝来している。

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